December 29, 2008
目の前には、最高のエンディングを迎えたスクリーン。
KNOCK、KNOCK、 KNOCKIN'ON...
とアンジェラ・アキの歌う主題歌が流れる試写室で、
私の頬にはツーっとひと筋の涙がつたった。
言うまでもなく。
本作は1997年に公開され大ヒットしたドイツ映画、
「ノッキン・オン・ヘヴンズ・ドア」の日本版リメイク。
(脚本は映画「デトロイト・メタル・シティ」なども手がけた大森美香)
主人公で、余命3日と宣告された青年・勝人を演ずるのは長瀬智也。
勝人の相棒となる少女・春海に、福田麻由子。
晴美も勝人同様、余命わずか。入院先の病院で偶然に出会った。
好き勝手な生活を送ってきた勝人と違い、
晴美は、先天性疾患で7歳からずっと病院暮らし。
原案どおりに「天国では海の話題でもちきりなんだ」と話しかける勝人に対し、晴美は海を見たことがないと答える。
晴美のために...なんてウェットな偽善心からではなく、
病室で見つけたテキーラを浴びるように飲んだ勝人は
酔った勢いで晴美を連れて病院を抜け出し、盗んだ車で海をめざす。
道中、なりゆきで強盗を犯して警察に追われたり、車の持ち主であるギャングまがいの企業トップに命を狙われたりしながらも、残された時間を力一杯、疾走し続ける二人...。
28歳の勝人と14歳の晴美。
二人の心をつないでいるのは、死への恐怖でなく、年齢や性別を超えた愛情であり友情であり信頼。いずれにしても無償だからこそ美しく、さわやかだ。
もちろん。本作が描くのは原案同様、悲劇ではなく悲喜劇である。
「死」という重いテーマを扱いながらも、悲しみと笑いを渾然一体にすることで、
悲しいんだけどおかしいー
笑っていたはずなのに、泣けてくるー
そんなリアルな感情がわき上がってくる。
エンドロールを目にする頃にはおのずと涙がこぼれているのは、監督や脚本家の思惑どおり、というわけか。喝采!
Text/Yukiko Nishimura
出演:長瀬智也、福田麻由子/他
脚本:大森美香
監督:マイケル・アリアス
公開日:2009年2月7日(土)梅田ブルク7ほか全国ロードショー
配給:アスミック・エース
© 2009アスミック・エース エンタテインメント/フジテレビジョン/ジェイ・ストーム
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